売約済み
状態説明
ソレンセン竜紋皿は独特で重要な歴史的背景を有している。 1. 元所蔵者情報 本皿は、元所蔵者であったデンマークの著名建築家サロモン・ソレンセン(1856‑1937)にちなんで名付けられている。彼の収集活動は、当時のヨーロッパにおける東洋美術への関心と評価を反映している。 2. 制作年代と工芸的特徴 本品は中国陶磁における青磁の発展の最盛期にあたる明の永楽年間に制作され、焼成技術が成熟し品質は極めて優れている。器形は明前期の典型的な大皿で、胴部が丸みを帯び、高台は広く、輪花状の浅い高台となっている。 工芸は極めて緻密で、器全体が青磁釉で装飾されている。皿の中央には二重圏線内に横姿の竜が配置され、荒れ狂う波の地に陰刻(ネガティブスペース技法)によって表現されている。竜の目のみ青磁釉で点描され、周囲の炎も陰刻により表現されている。 3. 芸術様式と文化的意義 芸術的観点から見ると、陰刻によって表された中央の白地竜紋は非常に稀で、宋元時代の三爪竜の伝統を踏襲している。竜の姿は生き生きとして力強く、青磁の海の地色と見事に対照をなしている。 文化的に、竜は中国文化において皇帝権威の象徴として極めて重要な位置を占める。本皿の竜紋は明代宮廷の美意識と文化的理念を体現している。 4. 歴史的伝来と希少性 約 1 世紀にわたりヨーロッパで大切に収蔵された後、ソレンセン竜紋皿は近年中国へ還流した。焼成が難しいため現存例は極めて少ない。イラン国立博物館の所蔵 2 点、上海博物館の宣徳銘入り 1 点を除けば、本品が同水準の完全品として唯一の存在である。